OpenAIがなんと創業者サム・アルトマンCEOを解任し、 同じく重要な創業メンバーでありWebエンジニアとして重要な役割を果たしたグレッグ氏の会長職を解く(そして本人から辞任発言)という衝撃的なニュースがありました。 世界中の国々に強力な政治的コネクションを敷いていた立役者であるアルトマン氏を解任するとは、かなりのことです。 日本でもアルトマン氏とはかなり政治戦略的なやりとりがあったはずなので、関係者は驚いていることでしょう。

同社メインサイエンティストであり深層学習界の天才、イリヤ氏に何らかの不満があったことを示唆する発言があり、 ここ1ヶ月間という非常な短期的な間に氏を中心とした一部メンバーに氏らに対する強烈な不満や疑念が発生していたことが示唆されますが、真相は如何に。 あからさまなクーデターではあるんだと思いますが、サム氏らが、何かを画策していた可能性も捨てきれませんね。

なんにせよ私はつい先日OpenAI DevDayを見て、「AI業界の覇権はOpen AIでほぼ確定した」と思ってしまっただけに、 この内紛はかなりのインパクトです。 既に複数の上級研究者がこの事件に呼応して辞任を表明していることもあり、どうも一筋縄な流れにはならなそう。

しかし、ピチャイ氏やイーロン氏がこのチャンスを逃すはずがなさそう笑
恐らく思想上の違いだと思うので、今後彼らが何を生み出そうとするのか少し楽しみでもある。

一方でエンドユーザ側からするとOpenAIはMicrosoftという強力なバックエンドを得ているものの、 コア創業者メンバーが2人も去ってしまうという事態は誰もがかつてのAppleを彷彿させることだと思います。 このような件があってもなおOpen AIはイリヤ氏を中心とした深層学習界の天才たちが集まる巨人と見做すことは変わらないと思いますが、 改めてオープンソースのラッパーが大事じゃないかとか、新たな強力なプロダクトが他所から生まれる可能性を捨てきれない事態にもなりました。 DevDayで発表された「これはスゴイ!」というプロダクトの将来性について、改めて考えないといけない話に。

真相は少しずつ明らかになってくると思いますが、これから何が起こるか注目ですね。