ぶっちゃけなんですが、意外と私、一個人のプログラマとして引き出しはかなり増えてきていたんだな、と最近思っています。
ライブラリとかエディタのこととか、意外と引っ張ってこれる引き出しはあるし、コードを見て「これは技術的にこうですね」みたいな判断ができる。
そう感じたエピソードの1つとして、私はPHPは専門外ですが、ちょっとドキュメントを見たら勘で分かってしまうことも多いってのがあって。「エスケープ関数とPDOのバインドの意義がよく分からない」って質問があった時、理由とか私なりの経験肌から素の意見が出てくる訳です。質問スレッドを見て、ホントに失礼なんですが、「あれ、意外とみんな自分なりの意見を説明できないのか」って驚く訳です。それでみんな実務が出来ている方だから、それで何故成り立つんだ、私は全然ダメダメなのに、って驚くんですよ。
ちょっと気になるので関数モジュールがどのライブラリに属してるかをドキュメントで見てみると、「ははァ、歴史的にPDOが後発だから、SQL系のエスケープ関数は、一般的なWebアプリケーション開発で推奨できるプラクティスではないのだろう」とかまで推測できてしまう。で、他の方が紹介された徳丸さんのよりよい解説記事とか見て「意外と俺間違ってねえじゃん」ってちょっとビックリしたんですよ。
意外とこれ他の人が出来るかといったら、全く違うんだって感じてて、驚いています。もちろん、もっとスゴイ人はヤマのようにいるだろう、と思っているけども。

逆に言うと、普通の職業プログラマができる部分はすごい未熟なんだろうな、ってことです。
つまり、なんかすごい知ってるし、私の意見を発信することで疑問が解決できたんじゃないか、って話は随分とあると思っています。実際そうやってDiscordやSlackのコミュニティ質問スレッドとかで解決するのって結構やってきたんです。でも、リアルの生活では、上手くいかないことのほうが多い。デカいのはコミュニケーション、特に認知差の問題。
どうも私はみんなの知らないことは実はかなりよく知っているが、みんなの知っていることはよく知らない、という感じだと思っていて。それがビジネス的なコミュニーケーション能力が弱いとか、裏目に出てしまうのではないかと悩んでいます。

そういった意味で、最近LTを初めてやったのはいい経験になりました。 普段色々な人の話を聞いてるけど、自分でやってみたらどうなのかと、色々発見がありました。

実際やってみたところ、しどろもどろになってしまい、「何を伝えたいのか」ってことがすぐに出てきませんでした。 私の弱みの1つは、「即興でこういったお話を上手く伝えられないこと」なのかなってことで。知ってることを口頭で掘り起こす作業が大変なんです。だからせっかちな人とかには伝わらないし、だから不快なんだろうな、とか思うので、私自身はもっと許容できる人の方が向いてるだろうけれども、ちょっとコミュニケーションに時間や準備が必要なタイプなんだと思います。ホントのところ、さらに言えば口頭より文章のほうが向いてる。普通に頭悪いんだけど、多分そういうところで「物凄く頭悪い人」って見ちゃう人もいるだろうなあって。てか事実何人もそういう人、会ったことあるしね。
要するに、「あれ、意外とみんな自分なりの意見を説明できないのか」って思ったりしてるんですけど、私はリアル社会では全然それが出来てないよね、と悩んでいて。だから変えなきゃいけない話なんですよね。

伝えることで努力する必要があるなと思うのは、「他の人が面白い」「勉強になった!」と思ってもらえるようなことを入れることです。例えば、私自身はエディタの設定などは手抜きで、そんなに力を入れていないけど、無意識に「私、こんな設定してるんですよ。settings.jsonとか、みんなたぶん知ってるよね」みたいな意識になっちゃってるかなあって。 なんというか…思い付きでやったのもあるものの、「知識の羅列」のような感じになっちゃったのは失敗だなと思っていて。コンセプトが空虚で、本当に人に伝わる説明が出来たのだろうか、って思いました。
それに、話題に関しても重要な部分があります。例えばVimやVSCodeみたいなエディタなら、やっぱり拡張機能やTipsの話に興味を持つ方が多いんだと思いました。私自身はあまりそこを力の入れどころにしていないので、話せることがあまりありません。でも、それで終わるのはひねくれだと思うのですね。バッサリ切り捨てるんじゃなくて、せめてそういった多くの人が興味を持つことに共感して、私なりに興味を持ってもらえそうと思ったネタを仕込むこととか、考える必要があると思います。最近お笑い芸人とか、特にサンドウィッチマンさんとか「あるある」話から入ってるから「物凄く面白いんだ」って思っていて、自分もそういう「共感してもらえる何か」を考えていく必要があるなって。
そもそも、私なりに見つけた「みんな知らないかもしれない」って思うことを話すんだから、他の人にとって知らない確率なんて高いし、それが当然じゃんね。自分だって知りたいっていつも思ってる。それなら、ちゃんと前提から話すことが大事。「settings.jsonってこんなこと出来るんだよ、ここでこんなものが出来るよ」ってことを伝えることが出来たのか。これからはそんな気持ちで話さないと、って感じたりしました。

当然、タイムキーピングとかの全体の話題設計というのも考えていく必要があったり、画面の移し方などの方法も研究する必要がある。そういうのはあまり考えてなかった。

逆にポジティブなところでは、LTで「スライドがキレイ」って感想を貰ったことは結構嬉しかったことでした。スライドはSlidevというツールで(正直知識少ないんですが使えないわけじゃないので)即興で作りました。つまり、外部パワーを使ってることはあるんですけど、そうじゃなくてレイアウトとかの部分を褒めてくださったと思います。
実務でパワポを作ってきた経験は無いのですが、確かに、学生時代などではそういや褒められていたりしていたなと思いました。私自身は、こういったスライドづくりは学生時代に任天堂の岩田聡さんや、広告代理店のプレゼン会に足を運んでいたことが影響しているかもしれません。元からグラフィックデザイナーの展示会とか美術めぐりとか好きで、クリエイティブ系の造詣って意外にあるので。他にも、シリコンバレーのMicrosoftやVercel, Appleみたいな沢山のテックイベントのスライドから影響を受けている。だから、ちょっと「見やすいデザイン」づくりには無意識に注意する姿勢があったのかもしれません。そういった部分は、「人に伝わる」モノが作れる人なのかもしれない。

つまるところ、とにかく私って失敗多くて卑下しがちになってしまうんだけど、意外と私の「持ち味」ってかなりあるんだ、と思った一方で、随分と上手く活かせるカタチがなってないなあって。需要と供給に合致できるチカラが足りない。これを世にいう「要領が悪い」って言うんだと思うんだけど。

でも、こうなると自分は「即戦力」的な何かで全くないと思ってるから、路頭に迷う気持ちにもなるのでいつも悩んでます。
ただ、最近特にクリエイターさんの記事や動画に結構影響を受けてて、救われる部分があります。1つはXで物凄く才能があるな、と私が思った絵師さんが、長年フリーターだったりしたこと。最近同人誌が注目されて売れてること。キャリア的には良くないかもしれないけど、そもそも私はそういう意味では人生完全に失敗してるから、こういった才能がそれでも生きてて良いんだって思うのが元気を貰える。
もう1つは既に成功されている方のパターンとは言え、フリーの絵師さんや海外のOSSオーサー、インディーアプリクリエイターの人を見ること。これに元気を貰えます。Open CollectiveやPatreonで稼げる人って、スキルすごい人だから自分には出来ないって落ち込みもするけど、結構コーディングスタイル的な部分だと企業社会だと邪道な人も結構いるんですよね。こういう生き方も選択肢の1つ、ということは今の自分には出来ませんが、最近心の救いになっています。

正直難しい道のりだと思っていますが、少しでも何か考えてかないとね。